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#二次創作 #夏五(距離の続き)

どうしよう、怒らせてしまった。どうしよう…
悟はとてつもない後悔と焦りを感じていた。

追いかけなければ、と頭ではわかっているのに身体は言うことを聞かず、お尻に根っこが生えたみたいにベッドから立ち上がることも声を上げることもできなかった。

傑…傷付いた顔してた。
あんな顔初めて見た。

そう頭でグルグルと思考が巡ると、叫びたくなるような、暴れたくなるような気持ちが渦のように溢れてきて、泣きそうになる。

自分のしてしまったことが憎くてしょうがない。

『うぅっ…ふぅっ…』

とうとう悟はポロポロと泣き始めた。

傑、ごめんなさい
傑の事嫌いなんて思った事ない

そううわ言のように呟くと頭をポンと叩かれる。

『…?』

ゆっくり顔を上げるとそこにはさっき部屋を出て行ったはずの傑がいた。

『すぐ…るっ…!』
『なんて顔してるんだ、そんなに泣いたら目腫れちゃうよ』
『ごめんなさいぃごめんなさい…!嫌いじゃないから…!俺…!』
そう言って首に手を回し傑をギュッと抱きしめた。

『うん、わかってるよ。ちょっと傷付いたけどね。』
『もう絶対言わない。絶対。約束する。』

傑が話してくれた。許してくれた。悟は安堵感から益々涙が溢れてくる。

ずっと泣いていたのだろう、目も鼻も真っ赤にして。私のこと大好きじゃん。
傑はふっと笑いながら頭を撫で、優しく抱きしめた。
目の前の怒られた子猫のように小さくなって泣きじゃくっている恋人が可愛くて愛おしくて、傑は傷付いたことも忘れていた。

12/2/2023, 2:05:26 PM