姿勢のいい猫背

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『一筋の光』

周りを見渡せば仲間はみんな倒れている。
目の前には何か一手があれば倒せそうまで
追い込んでいる魔王がいる。
しかしその一手がない…
せめて注意を逸らせる何かがあれば…

残るは俺と魔王…俺の方が圧倒的に不利の中
世界を守るため諦めるもんかと策をひねる。
魔王は勝ち誇ったように薄い笑みを浮かべながら
最大限の火力でこちらに魔力を溜めていた。
早く何か…何か……。
そんな時、視界の端から魔王に向かって行く影が見えた。
「うぉぉぉ!!!」
それはタンクとしてこの戦いの要だった男だ。
タンク役の男は魔王に突撃し、拘束しようとしていた。
『小賢しい!』
魔王は魔力を溜めるのを中止しタンクの男を突き刺した。
それはほんのり数秒の出来事。

しかし俺にとってその数秒は戦場を変える一筋の光だった。
剣に力を込め直し、正義の光を纏わせ力強く魔王を
タンクごと貫いた。
タンクの男は笑っていた。魔王は悔しそうだった。

こうして1人の犠牲の元、世界に平和は訪れた。
しかし俺の心は平和とか程遠い黒いなにかが芽生えていた。

11/5/2023, 11:05:50 AM