夜兎

Open App

君と、永遠にともにいられたら_____
そう、考えたこともあった。

放課後の教室にカリカリとシャーペンを動かす音が響く。
真っ白な日誌を一心不乱に書く横顔を
頬杖をつきながら眺めていた。

「俺は、見せ物じゃないよ」

静かな警告。
それは、照れ隠しでもあって、
真っ赤に染まった耳がその証拠だ。

「……ごめん。分かってるけど、君の真剣な顔見ていたいんだ」

「恥ずかしいから、やめろ」

君は照れくさそうに笑うけど、でも僕は笑えない。

だって共にいられるのは残りわずか。
別れのタイムリミットは刻一刻と近づいている。

それを、君だけが知らない。



#永遠なんて、ないけれど


9/28/2025, 11:23:31 AM