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たとえ間違いだったとしても


それは、もうすぐで全ての雪が溶けて、沢山の命が起きだすような季節だった。
私は、いつものように部屋の窓から空を見上げていて、そこに大事な話があるって、あなたが来た。




「アルバート、ダメよ。あなたは間違っているわ。もう一度、ちゃんと考え直してちょうだい。」

「マリー…。たとえ間違いだったとしても、君にとって良くない結果なのだとしても、僕の答えは変わらないよ。もう何十回、何百回も考えた。毎日毎日、飽きもせずにね。
今までのこと、現状、未来のこと。どれだけ考えても、君のそばに僕がいないだなんて耐えられない。」

「…そんなことはないわ。あなたなら、大丈夫。沢山の人に愛されているから。みんな助けてくれる。そして私よりも、もっと素敵な女性と、幸せな家庭を築くのだわ。だから…」

「マリー、ねぇ、マリー。そんな、酷いことを言わないでくれ。これから、何十年の時が経とうとも、僕は君のそばにいると約束するよ。僕の鼓動が止まるその時まで、ずっとだ。だから、その時が来たら、君が迎えに来て欲しい。壁画でしか知らないような天使様じゃなくて、見たこともないような天国の扉じゃなくて、君がいい。」

あなたは、大事な話があると言って来て、大きく息をして、少し強張った顔で言うの。

「愛しいマリー、僕と結婚して下さいませんか?」

って。



あなたも、私も、本当にばかなのよ。
私は、もう長くは生きられないだろうって言われているのに。あなたはそれを承知でいるのに。

約束するわ。たとえ間違いだったとしても、最良で、最善で、最高の選択だったって最期に思えるように。

4/22/2024, 2:21:52 PM