「ねぇ、僕の星図見てない?」
「星図なんてなくったっていいじゃない。」
「その口ぶりは、何か知ってるね?教えてごらん。」
「だって、君は空ばかり。」
「しょうがないだろう。魅せられてしまったんだ。」
「そのせいで私は横顔ばかりよ、全く…。私の机の中よ。好きなだけ見たらいいじゃない。」
私の髪を一撫でしてから、彼は机へと向かう。
そんなもので、この気持ちが精算されるとでも思っているのか。
窓の緣に腰掛けて、彼はまた空を見上げる。
罪滅ぼしなのだろうか、星図を持っている手と反対の手は、私の手を握っている。
何度か振りほどいてやろうかと考えて、そして、彼の隣に座った。
絆されているのだ。
それに気づいて尚、私はここに居る。
私の愛は、これでいい。
10/16/2025, 10:16:37 AM