スン茶

Open App

「見てみ!ここ抜け穴があんだぜ!」
「ここに猫が捨てられてたんだ、、」
「ここの犬すっげー吠えてくるんだよなぁ」


君と歩いた道。
私の視界には君のまだ小さな背中が映っていた。
あの時の私には世界の全てが輝いて見えた。
耳から入ってくる音がどれも心地よかった。

それはきっと君が隣にいたから。

どんな人と歩いても世界は光を失ったままだった。


何度かの春夏秋冬を巡って、私はまたここに来た。

前を歩く背中は無く、どこか視界が広い。

私の横を吹き抜ける風に祭りの終わりのような消失感が乗っていた。


#君と歩いた道

6/8/2025, 1:08:37 PM