大好きな喫茶店の店主に教えてもらった喫茶店は、知らなければ見逃すような細い路地を通って、通学リュックを先に通らせるほど狭い引き戸をくぐって入る。かつては古民家でした という顔をしている。2階にも席があるようで気になったけど、とりあえず 初めてなので1階の角についた。
どの席にもすぐ手に取れる位置に本が置いてある。私の席も テーブルに6冊置かれ、後ろの壁には 両手を広げたくらいの幅の大きな本棚がある。その前にストーブがあって、多分エアコンはない。足下が冷えて マフラーを膝掛け代わりにしていたら、お店の膝掛けを貸してくれた。
流れている音楽は、その音があまりに小さいので、落ち着いた曲調のピアノということ以外は はっきりわからない。静かな空間に 微かに流れる音楽が、レモン水のレモンみたいだと思った。目立ちはしないけど、ただの水より嬉しいというのと似ている。
2024.12.25
12/25/2024, 11:32:15 AM