「木枯らし」ある晩秋の日の夕方、冷たい木枯らしが吹く中を一生懸命に歩いて帰っていた。ただでさえ寒い日なのにびゅうびゅうと風が吹き付けて、唯一晒している顔が凍りそうだ。しかし一生懸命に歩いていると、だんだん楽しくなってくる。強い向かい風に逆らって一歩、一歩と進んでいると、まるで木枯らしと戦っているような気がしてくる。ありったけの力で体当たりしてくる木枯らしと、一刻でも早く暖かい家に帰りたい私。いったいどっちが勝つのだろう。
1/17/2023, 12:17:46 PM