不者

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「このまま どこか
 とおくに行こうよ」


「終点しかないんよ」


「きみって夢がない」


 夢じゃないんだよ。






 喧しいベルと音声

 日常の扉が閉まり
 見飽きた景色の先

 映画を観るように
 君は僕に凭れてる

 遅延証明書衣食住
 全部 なにもない

 終点なんて尚更に



 叱られるだけなら それでいい
 逆転を探し続ける

 こんな馬鹿をした 君は珍しく
 手を握ろうとする






「どこまでいけるの」


「だから終点なんよ」


「きみって夢がない」








「明日が来ないとこ」



「あるんじゃないか」























――――――――
(逃れられない)

5/23/2024, 9:12:21 PM