『君の目を見つめると』
「あ……」
君の目を見つめると、君はすぐに逃げてしまった。
少し残念に思う。
君の目はとても綺麗だから。
「おーい、待ってよー」
普段ならそのまま気にしないけれど、今日はなんとなくもう少し眺めていたくて君を追いかける。
なのに君は私のことなんか振り向くことさえなく、逃げる。
でもここは広くもない一人暮らしの1LDK、すぐに追いつくことができるのさ。
「ねぇ、もう少しだけ見せてよ」
ご機嫌を伺うように頭を撫でてみると、気持ちよさそうに目を瞑ってその場に座った。
しまった、これじゃあ目が見えない。
「まぁ、いっか」
またいつでも見る機会はあるし。
今はもう少しだけこうしていよう。
「にゃー」
うん、君ももっと撫でろと催促しているみたいだしね。
4/6/2024, 2:23:27 PM