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それは人が作った石と言われている

誰もが人間らしい生活のできない時代に生まれても

立って、生きて、眠るのはその石の上とされている

ずさんに取り決められた持ち回りのように

いつかは海底にあった死の息吹さえ

やがて漠とした星々の間に逃れ去っていく

石は飲み込まれ、咀嚼され、吐き出される無限の輪を巡り

硬い硬い核への信仰を拾い集めている

これは強力な嘘なのだ

引力から成り立っている存在の脆さが

石の心地好い影を愛したのだ

含有された海が泣くとき

ぼくはその優しさのために泣く

閉じ込められたものが

閉じ込めたものを赦すように

永く濡れそぼつ星でぼくは

足元をみつめている

#雨に佇む

8/27/2023, 2:39:25 PM