あー疲れた。私は仕事を終わらせ家に帰ってきた。
午前だけの仕事とはいえ、休日出勤はメンタルにくる。
2時かぁ〜。ふと、カレンダーに目をやる。そこには31日と書いてあった。8月31日......その言葉に私はずっと囚われている。正確に言えば、8月31日午後5時。今日でちょうど13年になるね。君が笑顔で私の前から居なくなったのは。ずっと脳裏に焼き付いているあの光景を、思い出すだけで過呼吸になりそうだよ。
あの日なんで私を家に呼んだの?なんで君は階段にいたの?
なんであんなに笑顔だったの?なんで私の目の前で飛び降りたの?私の目に映った最後の君はなんでそんなにも無邪気な顔で笑ってたの?ねぇ、答えてよ。写真の中に問いかけても答えは返ってこない。
ねぇ、なんで、なんでなんでなんでなんでなんで!私を置いていったの?
私はそれ以降、人の目を見れなくなった。君のあの顔が思い浮かぶのもあるけどそれよりも、君の親御さんから向けられるあの憎いと、恨みと、強い負の感情が混じったあの目。あの目がどうしても私のトラウマを蘇らせてしまう。そして言われた人殺しという言葉も。今なら分かるなぜ人殺しと、何故あの目を向けられたのか。でも幼い私は分からなかった。いや、分かりたくなかったのかもしれない。だって私はあの状況下でどうしようも出来なかった、どうしようもしなかった、人殺しと言われても言い返せない。ごめんなさいと、ただただ下を向いて涙を流しながら必死に謝るしかできなかった。
そんな懐かしい昔話を思い出していると、もう時刻は夕方の5時。私は仏壇の前に正座し鈴を鳴らして、ゆっくりと手を合わせた。
ずっと一緒にいてね。
8/31/2025, 4:56:01 PM