『元気かな』
-拝啓、○○へ。
4月の温もりが桜を目覚めさせ、
桃色の雨が降る日々が続いてます。
お元気でしょうか?私は相変わらず
時間を浪費しながら生きています。
アナタがそばを離れてから夜空を見上げる時間が増えました。
あの冬の寒さが嘘のように暖かくなってきましたね。
されどアナタの人肌の優しさを今でも愛しく思っています。
アナタのこれからの幸せを祈って...
書いていた手紙をグシャグシャにしてビリビリに破く。
別れた相手にこんなゴミみたいな手紙渡せるわけが無い。
君のことを思い出しているのはきっと私だけだろうし、
君に話しかける権利はもう私には無い。
君の知らない所でただただ君の幸せを願うだけ。
「...元気かな。」
零れた言葉は見上げていた夜空に溶けて消えていった。
語り部シルヴァ
4/9/2025, 12:15:00 PM