別れ際はどうしても不安になる。だから私は誰かと出かけるときは、できる限り長時間一緒にいたい派だ。「また明日ね。」たったそれだけの約束が果たされないことを知っているから。
友人が入院しておよそ一か月が経過しようとしていたあの日、私はお見舞いのために彼女のいる病室を訪れていた。いろいろな話をした。私自身の近況から始まり、退院後に行きたい場所や食べたいものなどたわいもない話をして盛り上がった。帰り際「また来るね。」と言って病室を出た。ここまではいつも通りだった。
翌朝、一本の電話がかかってきた。「彼女の容体が急変した。」とのことだった。慌てて駆け付けたところ、すでに意識はなかった。絶望に打ちひしがれている私のそばで容体が悪化していることを告げるアラートが無情にも鳴り響いていたことは今でも忘れられない。その後、ずっと声をかけ続けたものの、ついぞ彼女からの返事はなかった。そして最後は食事を摂るために短時間離席した間に、再び容体が急変して彼女は旅立ってしまった。最期の瞬間に立ち会えなかったこと、そして回復することを信じてかけられなかった言葉があることが今でも私の胸を縛り付ける。当たり前が当たり前である日、それはいつまで続いてくれるのだろうか。
9/29/2024, 9:41:38 AM