どんなに甲斐甲斐しく媚びを売ったって、
自分の価値を認めてもらおうとしたって、
貴方では無理よ。私の瞳には映らないわ。
見向きもされないとわかっていながら、
私に利用されることを望むなんて。
変わった人ね。でもそれだけよ。
私は貴方を求めていない。
求めているのは貴方で、私はそれに応えていない。
それでも貴方は全てを受け入れ、
私に浪費されることを選んだ。
貴方の声が聞こえる。
届かないと分かりきった上での、悲痛で誠実な叫び。
私の役に立ちたいと。立たせて欲しいと。
そうじゃないでしょう?
私は教えたはずよ。
貴方は私の役になんてこれっぽっちも立たない。
精々出来るのは私の気まぐれに振り回されることだけ。
ただ、貴方の一途な想いに少しばかりの賞賛を。
世界一幸せに飼い慣らしてあげるわ。
その口で吠えてみせて。私の犬だ、とね。
9/22/2024, 5:31:09 PM