「これってどう思います?」
「うーん、難しいなあ……」
「ですよね。でも、うちの会社では結構大きな問題になっているんです」
家に帰って、夕食を済ませた二人。ソファに座って二人が抱えている悩みを話し合っていく。
あーでもない。
こーでもない。
職種の違う二人は、違う目線で話し合う。
費やす時間は短いものではなかった。
「難しいねぇ……」
青年がソファに身体を預けながら言う。さすがに煮詰まった感が否めなかった。
「大事になり過ぎると、私たちじゃどうにも出来ませんしねぇ……」
そう言いながら、彼女は立ち上がって台所に足を向ける。
「どうしたの?」
「糖分入れましょう!」
彼女は取っておきのグラスを出し、冷蔵庫を開けて、氷と炭酸を注ぐ。棚からシロップを出し、鮮やかな色に変化させる。そしてポンとアイスクリームを乗せた。
「クリームソーダ!!」
「はい!!」
彼女が作ってくれたクリームソーダを口に含むと、その甘さが身体に染み渡る。疲れた脳みそにも効くというものだ。
休憩にしっかりと時間をかけると肩の力が抜けた気がした。
「まだまだ?」
青年は恋人に挑戦的なほほ笑みを向ける。
「明日、休みですから、まだまた、です!」
二人の話し合いは、まだ。
おわり
お題:終わりなき旅
5/30/2024, 11:26:22 AM