「蝶よ花よ」
あのお城には、小さな小さなお姫様が住んでいるの。
純白のドレスに身を包んで、マホガニーの調度品に囲まれて。
欲しいものは全部手に入れてしまえる、そんなお姫様が。
まさに、“蝶よ花よ”という言葉がぴったりの暮らしを送っているそうよ。
私もあのお城に行ってみたいわ。
でも、私は美しくないからきっと無理ね。
蝶のような美しい羽も、花のような良い香りも。
私にはないの。
どれだけお姫様に憧れても、あの子はこちらを見てくれない。
求めてももらえないの。
だって私は、蝶でも花でもないから。
……でも、あなたがいてくれるおかげで私は寂しくないわ。
ただの小鳥でしかない私を、こんなにも可愛がってくれる。
暖かくて、とても幸せ。
だから、これからもずっと一緒にいてね?
8/9/2024, 9:55:59 AM