秋月

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『皆様は、透明な水と言う物をご存じですか? 水道水やコンビニなどで売っている飲料水などとは全くもって違う、完璧な水なのです!』



「……? とうめいなみずってなに?」
「なんだろうな……? もとから水道水も飲料水も色なんか付いていないのに」
「ねー」
「あと、完璧な水と言うのも意味がわからない。純粋な水なら、何を言いたいかわかるんだが」
「えっ! どんなのなの?」
「まず、透明な水は砂糖とか塩が溶けた飲料水でもそうだろう? それらは砂糖水や塩水と呼んで、普通の水とは言わない。そもそも水と言うのは、酸素と水素と言うものがくっついて出来るもののことだ。だから、その二つだけで出来ている液体なら純粋な水と呼べるだろう」
「へぇ~! ねぇねぇ、ほかにもおしえて!」
「ほかに?」
「そう! どうしてあめがふるのかとか、どうしてなつはあついのかとか、いーっぱい!」
「あぁ、別に構わない。が、そろそろ食事を済ませた方がいいんじゃないか」
「ほんとーだ! こんなにたってたの!? ね、あとでぜったいおしえてよ?」
「わかってる、俺は嘘つかないさ」



「……嘘は、つかないさ」

5/21/2023, 11:29:50 PM