どっちが遠くまで飛べるか、競争しよう。
夕方の公園、地面に足で描いた線の前に2人で並ぶ。
このまま帰るのが名残惜しくて、思いついた戯れ。
じゃあ、いくよ。せーの!
きっと、前向きで元気なあなたはぐんぐん遠くへ飛べるのだろう。
どこまで追いかけていけるかな。
いつかは置いて行かれちゃうかな。
不意に、掴まれた手首が力強く引き寄せられる。
驚いて見上げると、確信犯みたいに笑うあなた。
どこまで飛んでも、一緒がいい。
そう言って少し照れたようなあなたの影と、不意打ちに立ち尽くす私の影が、夕日に伸びて並んでいた。
#君と飛び立つ
8/21/2025, 10:29:01 AM