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【太陽のような】

彼女は太陽みたいな人だった。
明るくて、熱くて、暖かくて。目の前に居なくても、必ず世界のどこかには存在している。そう思わされるほど彼女には存在感があって、絶対的な人だった。
太陽だなんていう明らかに逸脱した存在に喩えられてしまうのも、また彼女だからかもしれない。
私は、気がついたら直射日光の中に居た。冷たくピンと張った夜の空気しか知らない、私が。
夜しか知らなかった私は、夜明けを知り、朝を知り、昼を知った。
そして、日没も知ってしまった。
消える瞬間すら、やはり彼女は美しかった。
彼女は太陽なのだ。日は沈んでも、いずれ明日は来てくれるだろう。
私はあれからずっとその時を待っている。
老いさばらえた私は、もしかしたら焼け死んでしまうかもしれないけど、それでもいいと思った。

2/22/2024, 11:35:24 AM