『天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、』
そんな前置きなんて必要のないほど簡単なことなんだ。
閑話休題なんて小難しい言葉も必要無いよ。
誰がどう思おうが僕の話したいことは一貫していて、それをどれだけ捏ねくりまわしたところで僕の伝えたいことは変わらない。
それはもちろん天気の話を前置きにした程度では変えられない真実ではあるけれども、僕は単刀直入にこの話を伝えたいんだ。
……いや、伝えないといけないんだ。
それが何かしらの妥協によって曖昧な言葉にすり替えられてはいけない。
本来ならそんな事が起こるはずもない、それほどまでに僕が話したいことは簡潔なものなんだ。
……だけどどうだろう?
それを相手に伝える勇気が足りない。
話す直前で怖気付いてしまった。
伝えるタイミングを見失ってしまった。
理由は様々あるだろうけど、そうして会話に行き詰まってしまった僕達は、その焦りからか少しでも汎用性の高い話題を探し始めてしまう。
代表的なものでいえば今日の天気の話が挙げられるだろう。
だけど多くの場面でそれは本来伝えたかったこととは全く関係が無いもので、そんなもののせいで真実にノイズが混じってしまうことが僕は馬鹿らしく思えてならないんだ。
" 天気の話なんてどうだっていいんだ。"
僕が話したいことは……つまりそういうこと。
5/31/2023, 2:43:51 PM