短編小説 しらたま

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「冬は一緒にデートしない?」
「いいね! それじゃあ行きたい所があるんだけど…」
なんて話で盛り上がってた半年前がつい昨日の出来事のように思い出してしまう。彼女は冬を迎えることなく散ってしまった。

49日を終えた昨日を経ても実感が湧かずにただ何もせずに過ごしていた。ほこりの漂う空間よりも心が晴れないことに憂いを覚えていた。そんな空間が心地いいかと言われるとむしろ悪いと答えたいくらいの酷い環境だった。
少しばかりあずましくないので雪の積もる歩道をただ目的もなく歩き回っていた。




彼女が出来なかったことを僕が叶える。

希薄な望ではあった。私は…。僕だっけ?
どつでもいいや。さよなら

12/18/2024, 11:22:18 PM