どこまでも続く青い空
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水平線って、どこにあるのかしら。
そう君が言ったのは一体いつのこと? 記憶が薄ぼんやりとした靄で覆われているようで、うまく思い出せない。そんな君に、わたしはなんと言ったのだっけ。(わからない。)
吸い込まれそうな青とはよく言ったものだけれど、もしかしたら君は吸い込まれたかったのかもね。いつも、そういう瞳で青色を映していた。どこまでも続かなくていいの、手を伸ばせば触れられる距離の方がしあわせでしょう? でも君は違ったみたい。
窓の外から身を乗り出して、風に頬を撫でられて、でもそれを無視して、一心に上だけを掴もうと見つめる君の横顔は何よりも美しくて、だから、私は嫌いだった。目を離したら連れていかれてしまいそうで、恐ろしかった。
「手を繋ごうよ」
君のひんやりとした指先と、わたしのささくればかりの指先の隙間から、それはこぼれおちる。
君はもう窓の外を見ようとはしなかった。
10/23/2022, 10:32:34 AM