あの子のことがただ気になる。
それを好きっていうんだよ。そうなの?
好きっていうのは、もっとこう、、、
その後に言葉が続かない。好きってなんだ?
その瞬間にふと頭を過った、初恋の感覚。
晩夏の正午はとても過ごしやすいとはお世辞にも言えない。講義終わり、ランチを並べて束の間の休息だ。
この夏は何もしないで終わったよ。
それな。
部活とバイトで潰されたわ。
他愛もない会話。
気になる人がおんねや。
ほう。
燦々とした日差しから遠ざけられ、心の奥底から少しの熱気がふんふんと。
おれはその人のことがもっと知りたいんよ。秋はそこからや思てる。
何が言いたかったんだろう。自己完結しただろう。自分が一番理解できない、さっきの流れを切ってまですることか。
好きなんな?
かな?いやちゃうやろ。
好きやないん?
好きっていうか、ただ気になってるだけやから。
そうか、それを好き言うんやけどな~
そうなん?
やろ。
わかんねー
これが「好き」なのか?これが「恋」なのか?
分からない。
顔を思い出す。可愛いが、忘れられない、というわけではないし、ずっとその子のことを考えているというわけでもない。ただ、周囲から半分ちゃかされて、そう意識しているようにも思えてくる。
本気で恋をするって、どんな感じなんやろ。
わからん。
あんた、こんな部屋によく居られるね。切るよ?
知らん。もうわからん。リビングにぐでる僕をよそに空調を切る姉。
あつい。気になれば気になるほど、そうではないような気持ちと錯覚を連鎖的に起こしていく。
ぐでんな。起きろえ。
開けっ広げで焼けた肌は、そのたくましさ、羨ましい。
あめのみ
9/13/2023, 4:30:00 AM