草原に姉と寝っ転がって夜空を眺めてみる。
こうして一緒に眺めるのはいつぶりだろうか。
いやそもそも野宿するのも久しぶりな気がする。
最近はゴタゴタに巻き込まれてやっとあの街から旅立てたんだもの。
こうして二人で穏やかな時間を過ごしているとなんだか少しホッとする。故郷を出た直後はずっとこの時間が続くのかとげんなりしたこともあったのに。
「ねえ、あの星は何?」
指差した先には周りの星よりひときわ明るく輝く星。
北極星かなと思ったけどそれよりも明るい気がするし何よりも場所が違う。
そういえば星が寿命を迎える時、星は明るく輝きそして爆発すると本に書いてあったはず。
おそらくそれだろうと姉に話すと姉はふぅんと素っ気ない返事をしてそのまま黙ってしまった。
姉の想定していた答えじゃなかったのかなあと思っていると姉はむくりと上体を起こし、小さな声で呟いた。
「生まれる時は一緒だったんだから、死ぬ時も来世も一緒がいいわ」
あの街のことを引きずっているのだろうか。いつもの姉にしては弱々しく感じた。
僕は体を起こして姉の手を握って安心させるように笑う。
「僕たちは最強で最高の双子だから大丈夫。
なんならここで誓ってみる?」
姉はぽかんと口を開けた後、にっこりと笑う。
いつもの姉の笑顔だ。
「ええ、誓いましょ! わたしたち最強で最高なんだからどんなことだってできるもの。
だからずっとずっと一緒よ! 今世も来世もそのまた先も!」
「僕たちは双子!」
この先どんなことがあっても姉と一緒なら大丈夫。
輝く星の下で誓ったからか、未来は星のように明るい気がした。
3/11/2025, 1:39:07 PM