暁 瑞稀

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「星に包まれて」
 
 私はキラキラした星空を見るのが好きだ。今日もまた、ベランダで綺麗な星空を見ている。
 手にはお母さんが買ってくれた星空の図鑑を持って、寒い中丸まって体を温める。
 目の前に見える星はいつもよりはっきり見えて、少し嬉しくなって声が出た。
「綺麗だね!お母さん!」
 そう言っても何も返ってこない。隣にお母さんが居ないことを今思い出した。呼びに行こうと思ってももう会えない。
 今いるママは鍵を閉めて仕事に行ってしまった。私が悪いことしたから、ベランダに出した。
 でも私は嫌いじゃなかった。少し寒いけど、綺麗な星空が見えるから。
 お母さんとよく見た綺麗な星空。これを見ると心がポカポカして、体も温まる気がする。
 その時、流れ星が見えた。
「わぁ……!」
 私の頭に浮かんだのは、お母さんに会えますように。だった。
 すると、星が沢山私の元に降ってきた。キラキラした星が集まってどんどん形になる。私に当たった星は、金平糖になって床に落ちた。
 その星はどんどん人の形になってきて、お母さんに似てきた。
 私は金平糖を拾って食べる。甘い味が口に広がる。沢山集めて、振り返ると、そこにはお母さんがいた。
「お母さん! はいこれ! 凄く美味しいよ!」
 そう言って渡すと、お母さんは困ったように笑って私を抱きしめた。
 暖かくて、抱きしめ返す。すると、体がふわりと浮いて、お母さんと一緒に星空の方へ向かった。
「これからは、ずっと一緒よ」
 お母さんがそう言って頭を撫でてくれた。いつもしてくれたこの優しい手つきに顔がへにゃりと歪んだ。
「うん!」
 私は、星に包まれるように夜空に飲み込まれた。
 
 これからはずっとお母さんと一緒。
 お星様が叶えてくれた。
 ありがとう。
 さようなら、ママ、パパ。
 私は今、凄く幸せだよ。

12/31/2025, 7:46:55 AM