東条 誠

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緩やかに、空が視界を横切っていく。
雲を突き抜け湿った服が風で冷たくなり、肌を冷やしていく。
綿菓子みたいな雲を掴めるはずもなくて。冷えきって動かない手を軽く伸ばしてみるけれど、何にも当たることは無かった。
耳元でずっと、風が唸る。
突然。
木々が見えたかと思うと、体は水に叩きつけられた。

6/18/2024, 2:10:18 PM