孤月

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彼の目から溢れる雫は貴重なものだ。
普段から生真面目で秩序を重んじる彼には似合わないけど、僕がずっと望んでいるもの。
毎日弱みを見せまいと孤軍奮闘しているのに、空回っている彼が面白おかしくて、最初はずっと揶揄っていたっけ。いつのまにか僕の知らない顔を見てみたいと思うようになって、独占したくなって、皆にもおかしいと思われるくらい見つめてしまっていた。
密かに追い続けていた彼の過去を何気なく聞いた時、守ってあげたいと思った。そして一度も見たことのない彼の雫を僕が拭ってあげたいんだ。

4/21/2024, 11:18:15 AM