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「奇跡をもう一度」

ある日、小さなわたしは
鳥に食われ
そのまま鳥の腹にとどまり
空の旅をした

見知らぬ異国に糞ごと着地し
雨水を受け
芽をだし葉脈をひろげ蕾をつけた

それからすこし力をこめて
ぷぅと薄紅の花びらをひらいた

そこに蝶がとまって
わたしの中の蜜を吸いはじめた

蝶がすべて吸い上げ
ふわりと飛び立つとともに
わたしの精神と魂も蒸発して
気化しながら
天へ向けて たち昇った

こんな幸福感は
はじめてだった
奇跡のようにわたしも
幸せになれた



10/3/2022, 8:45:08 AM