手を取り合って夕焼けが街全体を染め上げる。ゆっくりと夜になっていく街で、君はどこか含みのあるような笑みで手を差しのべた。決して選ぶ立場ではない君が、まるでこちらを選ぶかのように振る舞うから。思わず、その手を掴む。繋がれた手は互いを求めるように絡み合って。君のその夜を思わせるような紺色の瞳が、まっすぐこちらを向いていた。さあ、参りましょう。夜という虚しい街に。
7/14/2023, 3:12:52 PM