学校に行かなくなって、何ヶ月が経っただろう。
春の風が吹いていたはずの外は、すっかり梅雨の匂いが漂っていた。
ポツ..ポツ...サーーーー.....
「雨降ってきちゃった..」
私は俗に言う不登校だ。
別に虐められているわけじゃない。ただ、行くことを身体が拒否してくるだけ。
両親はとっくの昔に亡くなった。
悲しくも何ともないけど、少し寂しく感じる。
ピーンポーン
(また来た...)
「つーゆーきーさーーん!!」
彼女は日向夏美、いつもプリントを届けてくる変わった人だ。
「もう、来なくていいって言ったでしょ、(呆)」
「え?でも、、露木さんが心配だよ...」
「っは?」
驚いて硬直していると、日向さんが続けて言った。
「だって露木さん、いつも暗い顔してるし、」
...気づかなかった。私はそんな表情をしていたのか。
「私が、、少しでも露木さんの役に立てるといいなって!」
そう言い、彼女は笑う。まるで、夏の太陽のように。
その瞬間私の心の雨は、元から晴れていたかのように止み、ほんのり暖かくなった。
..ポロッ
今までのことが溢れ出すように流れてくる。
父親が病気で亡くなったこと、母親がその後を追い自殺したこと、
「ッええ!?なんで泣いてるの!?」
そうか、私が学校を拒否していたのは...
.....ありがとう、日向さん。
あとがき
梅雨ってじめじめしているけれど、その後の晴れた太陽とかを見ると心が暖かくなりますよね!
「心と梅雨の日」
#心の健康
8/13/2023, 10:24:46 AM