沫雪

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♯待ってて

「そう言われた方の気持ち考えたことある??」

何度目かも分からない酔っ払いの絡み方である。

「落ち着くまでとか安定するまでとか一体いつよ?何年かかんの??」

「そんな間に子ども生まれたどころかもう高校生ですけどー!!」
「ずっとシングルで頑張ってきましたけど!!認知も養育費も貰わずに!!」

「はいはい、育ててくれてありがとね。そろそろお酒やめとこかー?」
なだめながら隣の六畳間にひいてある布団まで引きずっていく。

「いい男に育って良かった...ろくでなしだけにはならないでね?」

そんなろくでなしに引っかかったのは誰だよ、とは思っても言わなかった。

だって吹っ切れたとかもう知らないと言いつつ、こんな何年も経っても管まくくらいに憎いとは言え忘れられない、認めたくは無いが好きだった男なのだろう?
我が父は。

「こんだけ待たせてるんだから大富豪とか石油王にでもなっててもらわないと割合わないわよねー」

石油王らしき父をまだ待ってたのか。

あきらめ悪いな。

「きっと俺が石油王になる方が早いんじゃね?」

「ふはは、わらうー!」

冗談に乗ってやったのに失礼な!

2/13/2024, 10:41:40 AM