髪弄り

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時に諸君。
人はなぜお菓子を求むのか知っているか?
アイスクリーム、ポテチ、チョコレートとあげればキリがないほどに我々の生活には、溢れている。

我々が脂濃いものや甘いものを求めるのは、かつての先祖にとって、それが有利な形質だったからだという。

いつ食物が見つかるかわからない状況下では、よく食べ、よく蓄えるものが生き残りやすかった。それが現代ではあらゆる習慣病の病巣としてあるわけなのだ。

「……」

ところで私は今、商品棚の前に立っている。
meiji、湖池屋、そんな文字列と色とりどりのパッケージが並ぶ、子供たちが騒ぐ場所。

思わず黄色いものに手が伸びーすぐ戻す。

いやいや先程説明した通りだ、こいつはあらゆる生活習慣の病であり、現代における悪魔なのだ!それを私は十二分に承知している。

財布を確認、小銭がたんまり入っていて、重たい、どうやら足りそうー
何を考えている!その小銭はどうやってできた物か覚えていないのか!?

「ママー、あれ何してるの?」

少年よやめてくれ、私は別にこれを買おうとしているわけではない、欲しいとか、そんな子供っぽい考えでは決してない。
お母さんも苦笑いしないで欲しい。

ここにいるから良くないのだ、すぐに頼まれた買い物を済ませるのだ、覚えているぞ。

豚バラ、白菜、白だし、美味しそうな鍋の材料、そもそもこんな物を食べては、食べれなくなってしまうだろう。

「買わないの?」

……

「お買い上げ!ありがとうございましたー!」

買い物袋を手に帰路につく、エレベーターで階を上がり、財布につけた鍵で扉を開く。
「おかえりー!買い物ありがとう!」
「ただいま、机の上置いとくね」

手を洗った後、黄色いブツを手に自室へ入る
「やっぱ海苔塩なんだよな」

罪の味、後悔はない…うん。

『バカみたい』

3/22/2023, 11:49:32 AM