君のその優しさは、私には毒だ。
仕事仲間。同僚。戦友。──相棒。
私たちのこの関係に、どんな名前をつけても間違いではない。
時に背中を預けあい、支え合って生きる。
その関係性を言葉にするのなら、それで間違いはない。
だからそれ以上の感情を、優しさを向けないで欲しい。
君のことが、その優しさが嫌いではない。むしろ、好きだ。
君以上に大切な人などいないし、作るつもりもない。
けれど、恋人になりたいわけではないんだ。
どれだけそばに居ようとも、ずっと一緒には生きていけない。
私は君を置いて行く人間なのだと、わかっているから。
そう自分に言い聞かせて、一線を引く。
君の好意をわかっていながら、曖昧に笑う。
だからどうか、相棒のままでいるために。
そんな風に笑わないで。
この恋は、はじまる前に終わらせたはずだから。
『その熱は身を焦がすほど』──(お題:優しくしないで)
5/3/2023, 8:39:37 AM