「一年後」
自称マッドサイエンティストが来てからもう2年くらい経つ。自分は特に何も変わらない。ただ、自分を取り巻く存在だけが色とりどりに変わっていく。
パステルカラーの春が来て、夏が全てを溶かして、夕焼けで秋は燃えて、雪で冬は閉ざされる。ただ、その繰り返しだと、そう思っていた。
でも、あいつらと出会ってから、桜餅を食べたり、暑い中散歩に出たり、枯れ葉を集めてみたり、雪だるまを作ったり。最初は何がしたいんだ、なんて思いながら、仕方なく付き合っていたつもりだった。
そんなことしたって、つまんないって、そう思ってた。
でも、そんなことでも、ほんの少し、心から楽しんでいる自分がいることに気付いた。
だから思った。一年後も二年後も、そのずっと後も。
こんな日がいつまでも続いたらいい、なんて。
こんな日はどのくらい続くんだろうか。あいつら次第だと思うけど、実際いなくなったとしたら、またあの静寂が繰り返されるんだろうか。モノクロで静かな時間が、淡々と繰り返されるのだろうか。
それはそれでいい、でも。多分何かが足りなくて、焦って足を踏み外してしまいそうだ。
もし、世界からあいつらという名の彩りが消えたなら。
一年後、自分に色はあるのだろうか。
なんとなく怖くなって、自分は昼寝をしている小さな機械の様子を絵に描いた。
なかったことにしないために。自分で自分を彩るために。
たまには努力も、しておかないと。
5/13/2026, 4:01:46 PM