『理想のあなた』
理想のあなたは、ちっともつまらない。
——だけど、それがいいの。
○○○
「やっと、やっと完成したぞ!!」
そういった声に、チラリと視線を向ける。
人形アンドロイド
最近流行りの人工AIを搭載した、高級な遊び相手。
わあわあと賑やかな彼らを横目に、私はそっと溜息をついた。
このあとの流れを知っているからだ。
「うーん。やはり、ロボットは詰まらんな」
「これ、廃棄で」
ほらね。
設計者が私達なのだから、そりゃあ全部知ってる事しかしない訳で。飽きるのだって、早くなるわ。
「ねぇ、それなら私にくださらない?」
「おや、君は……そうか。これが始めての大型実験だったね、記念ということなら、まあ、良いだろう」
「ありがとう、博士」
そうして手に入った理想のあなた。
理想のあなたはちっともつまらない。
——だけど、それがいいの。
突拍子もない現実には飽き飽きしていたから。
おわり
5/20/2026, 11:08:01 PM