John Doe(短編小説)

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シナーズ・フィート


もう誰も傷つけたくないんだ
もう誰も失望させたくないんだ
僕が何かを言えば、その言葉は凶器となる
『幻想』という名の殻に閉じ籠っていたい
もう朝日が見えなくたっていいよ
永遠に冷たい夜の世界に居るから

僕にとって光明は耐え難い苦痛
僕にとって優しさは神経毒
そっとしておいて欲しいんだ
利用するだけしただろう?
奪えるもの全て奪い尽くしたろう?
何が『救い』だ、もう止めてくれ

僕の人生は、ゆっくり崩壊していく
それを望んだのは他でもない僕さ
お姫様は居なかった、神様でさえ
お願いだよ
もう僕をそっとしておいてくれ
僕はあなた方に全てを差し出したろう?

いずれ絞首台へと登るのは僕自身の足なんだ。

2/22/2024, 6:37:22 AM