胸の鼓動「終わるのが、好きなんだよね」その人は妖しげに笑った。自分のものではない血をべったりとつけた左手で、息も絶え絶えな男の胸のあたりへを押しつける。ゆっくりと、静かになる胸の鼓動をその手で感じ取りながら、恍惚とした表情を浮かべた。「……悪趣味」思わずそう呟けば、その人はどこか嬉しそうに微笑んだ。
9/8/2023, 1:45:58 PM