真昼間。
外に出ると逆光が眩しい。
目を細めても
前がかろうじて見えるくらいだ。
手で影を作り
空を見上げると、
相変わらずの快晴で
じりじりと暑かった。
どこに止まっているのか分からない
たくさんのセミが
シャワシャワと鳴いている。
アイスが家にあったなら、
こんな真夏に家を出ることは
無かったのになぁ。
ハンカチで汗を拭い、
コンビニに入る。
ぶわぁっと涼しい風が一気に来た。
エアコンガンガンだ。
飲み物とアイスだけ買って、
適当に歩き回り、涼んだ。
寒くなってきた頃
意を決して外へ出る。
セミの声が
さっきより大きくなっていて
思わず耳を塞いだ。
ねぇ、どうして物が無くなってるの?
知らないよ、私が見た時はあったよ。
でも、あなたが触った後私は触ってないよ。
私を疑ってるの?
当たり前じゃない、あなた以外いないんだよ。
なんで今
この記憶が出てくるんだ。
私は手をぱっと離した。
嫌なものを思い出してしまった。
今すぐセミに
かき消してもらわなきゃ。
"Good Midnight!"
ハンカチで拭ったのは
汗なのか、涙なのか。
私が家から極力出たくないのが
暑さのせいじゃないって
私の記憶はよく知っていた。
1/24/2026, 4:13:41 PM