たくちー

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 寝袋に包まれてキャンプをしたいという密かに秘めた想いがアウトドアショップへと足を運ばせる。だが熊の影響か品揃えが悪く2人用のものしか売っていない。ふとトレッキングツアーのパンフレットが目に入る。そんな選択肢もあるのか。つくづく知識不足な初心者の妄想でしかなかったなと感じる。どの程度の費用がかかり、重量はどの程度になるのだろうか。少しづつ現実とのシンクロ率を上げていく。秘密の標本には悲しいくらい現実的なデータが蓄えられていく。夢を叶える為というよりもタスクをこなす為のもの。夢見る子供が現実に飲み込まれてしまったようだ。サンタさんが口元に指をたてて声を上げないようにジェスチャーしている姿が、家族の仮装であることを知ってしまったように。
 夢から覚めて、現実の道のりは面倒だと感じてしまい、義務感による初志貫徹を目指すだけの作業になってしまった。それでも挑戦すれば何かしらの経験は得られるため、やがて動きだすだろう。
それが数年後にならないように"秘密の標本"というタイトルでメモ帳、というよりTo doリストに記しておく。

[必要なもの]
・寝袋
・トレッキングの知識




題『秘密の標本』

11/2/2025, 7:38:56 PM