約束
彼女は約束を守らない。自分が最優先だ。
自分の興味のあること、行きたい場所があれば、言葉巧みに私を誘い出し、今日もこちらは全く好きでもない彼女推しの男性ユニットアイドル(もういい年齢)の話を意気揚々と語る。
大人の対応で受け流しているこちらの気持ちなど、お構いなしだ。
こちらから誘っても、平気で断る。
和小物作りがしたいと、自称着物好きの彼女の提案で下北沢をぐるぐる回り、着物の端切れと紐を割り勘で数種類買って次回会う日に、お披露目しようと約束した。
彼女から言い出した約束だ。
約束を守る私は、巾着袋(裏地付き)を律儀に作って彼女と原宿で落ち合った。
約束を守らない彼女の言い訳は、家のミシンが壊れた…だった。
約束を守らない上に、平気で嘘をつく。
私は確信した。だから彼女には親友と呼べる友人がいないのだ、と。
気付くのが遅い、受け身な私はまんまと彼女の術中にはまった。
そして自らも反省した。いいように振り回されるのは自分にも原因があった、と。
約束を守らない彼女とは、ご縁が切れた。自分から切らせて頂いた。約束を守らない人間は信用ならない。
そして、時間泥棒でもある。
約束を守らない彼女は、又別のターゲットを見つけて生きていくのだろう。
くわばら、くわばら…。
3/5/2025, 4:24:28 AM