囀る鳥が姿を消して1年になる。
囀る鳥の住処であった鳥かごは、去った鳥の影を思い錆ついた音を立てて泣いている。
鳥が住むべき場所に、独立変数という鳥でもないものが住み着いてしまったのだから、嘆きたくなる気持ちは痛いほどにわかる。
それだけだけならまだしも、元の持ち主から、現在の持ち主に替わる時、本来鳥かごが持っていた持ち味まで改悪されてしまったのだから──最早、かけるべき言葉も浮かばない。
囀る鳥が姿を消して1年。
それでも、元の鳥かごの姿を知る人々の中で囀る鳥は生きている。
囀る鳥がいつか、鳥かごの元に舞い戻ることを切に願っている。
7/25/2024, 2:35:15 PM