届かない……
「お前なんて価値がないんだよ」
その言葉は俺の思ってる言葉じゃない。
サンゲツに対して、価値がないだなんて思ってない。
けれど、俺から出てくる言葉はサンゲツを傷つけるだけの言葉だけ……。
口を止めたくても、何かが俺の意識を乗っ取ってくる。
俺の口から出てくる言葉のせいで、サンゲツは無表情に涙を流すばかりだ。
そんな顔をさせたいわけじゃないのに……本当は笑っていてほしいのに……そんな想いはサンゲツには届けられることはない。
それから……俺とサンゲツは別れざるえなくなった。
これ以上、サンゲツを傷つけたくなかったから。
END
5/8/2025, 10:13:00 AM