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 時折俺は、果てのない記憶の海に落ちて行くことがあります。

 初めて会った時の貴女。
 貴女の守りに入ってから見た、その次の貴女。
 そのまた次の貴女。
 更に次の貴女。
 どの貴女も可愛らしく笑い、美しく育ち、人を愛し、人に愛されて死んでいきました。

 そうして俺の思考は、今の貴女に辿り着きます。

 今貴女がこうして生きていること。
 そのこと以上に俺が幸福を感じることなど、ありません。
 どうか、それを分かっていてくださいね。

6/18/2024, 1:17:55 PM