眩しい。
真っ先に思ったのはそれだった。
それも仕方のないことだろう。いきなり目の前に光源らしきものが現れたのだから。
目が眩んでから、少ししてようやくその光に慣れてきた。
といっても、相変わらず眩しいし、直視することは出来ないんだけど。
「いったい何なんだよ?」
ぼやきながら、光源らしきものに手を伸ばすと、意外にも答えが返ってきた。
「我は、貴殿の中の輝きなり」
なんだか頭の中で直接響いてくる感じが気持ち悪い。
それに、わけのわからないことを言う。俺の中に輝きなどあるはずもないのに。
「貴殿には輝きがある。なにせ、我が貴殿の輝きなのだから」
思考を読み取ったかのように、光源が続ける。
随分と雑な論理だな。と思いつつも、光源の話を聞いてやることにした。
「それで?お前が俺の輝きだって言うんなら、俺の輝きって何?」
「貴殿の輝きは我である」
駄目だ。話にならない。やはり対話を試みるのは辞めにしよう。
「待て待て……貴殿の輝きは説明が難しいのだ」
焦ったように言ってくる光源に、仕方なしに乗ってやることにする。
それがわかったのか光源は長々と話し始めた。
「先ず、貴殿の輝きはまだ誰にも見つけられていない。だが、我を見れば分かるようにその輝きは凄まじいものだ。我というのは、誰にも見つけられない貴殿の輝きを、まずは貴殿自身に知ってもらおうと具現化したものなのだ。貴殿は自分の輝きの何たるかを理解していないように見受けられる。そこで我が説明しよう。貴殿の輝きの性質を。貴殿の輝きは……」
話が長すぎて聞いている途中で、何度も眠気が襲ってきた。
要約すると、俺自身が理解していない輝きとやらが、あの光源らしい。
だが、正直説明を聞いても俺自身には輝きがあるようには到底思えない。
無言で光源に手を伸ばすと、存外簡単に触れることが出来た。
「あ、おい!我に何をする気だ!」
騒ぐ光源を無視して、光源を引き寄せると、光源は俺の体の中に馴染むように入っていった。
今までずっとうるさかった光源の声が聞こえなくなる。
その事に何故だか寂しさを覚えた。
でも、これでいい。俺が俺自身の輝きを見つけた時、あいつはもっと輝いて俺の元へ現れるだろうから。
2/17/2025, 10:39:24 PM