『8月、君に会いたい』
あのおとこのこは
わんぱくでよくわらって
とにかくたのしいことをさがしてる
わたしはちょっといやだったけど
よくくっついてきて
なんかいじわるしてくる
だけどそれがたのしかった
――――――
今年もあの男の子がいた
前よりさらに元気な気がする
虫取り、目の前にみせてくるし
学校や町のプール、
水をひっかけてくるし
なんかイヤだし苦手なのは
変わらなかった
だけど、アイスやおやつ
美味しいご飯の時は
よく分けっ子してくれる
――――――
こんな歳になっても
家族の集まりなんて…
そして……あいつもいた
前ほどのわんぱく具合は無くなってた
けどなぜか…
ちょっとだけ寂しさを覚えてた
趣味も話も合うわけなく、
なんとなく距離を置きつつも
でも授業のの範囲はだいたい一緒だし
夏休みの宿題とかを、
なんとなく話しながらやった
苦手ではあったけど…
別に…きらいじゃないから
前より無愛想…と言うか
話さないけど、
おやつやご飯は
相変わらず分けっ子してくれる
――――――
高校生―――
また8月がやってきた
行く気はサラサラなかったし
なんならブッチしたかった
……これは、気まぐれ
…ホントに気まぐれ……
…ホントに気まぐれ…!
「(……という事にしといてよ)」
去年ぐらいから、
特に他愛の無いやり取りが
いつの間にかなんとなく始まってた
私にとっての暑い夏が
始まるかどうかは
まだこれから
始まるかどうかを、見定めに
だから…
会いに行ってあげる―――
〜シロツメ ナナシ〜
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8/2/2025, 5:39:16 AM