黒山 治郎

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常とは、何処からが常なのか。

普通、常識、平凡、平素、当然。
そして、いつかは必ず終わりが来る日常。

母に金切り声で普通を強要される子供は
一つの異常も持たずに育つ事が出来るのか?

母や父の異常には目をつぶる様にと
呪詛の様に言い聞かされた子供は
いつか同じ事をしないだろうか?

常ならむとは、大変に愉快な言葉であると
私はどす暗い腹の内を抱えて
皮肉な事に、其れこそ常々思うのだ。

自分は変わりたくないが
他人を変えることは厭わない
そんな思想家達の渦中に溺れ
心を日々の最中ですり減らし
何時しか、直せぬ異常の数に
その身を乗り出してしまったならば
花火よりも短く、地面へと咲く。

ほら御覧よ、日常なんぞ
何とも並べず儚いだろうに…。

言葉で定義出来る事は知性の賜物
而れども、曖昧とは悪では無い。

ー 日常 ー

6/22/2024, 2:56:21 PM