ほむら

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理想の自分とはいつも遠いもので、思い描けば描くほど今の自分は何も持っていないように見える。特に、私は大好きで憧れている彼の隣に立つことを考えると、完璧な自分になりたいと思ってしまう。

例えば、容姿。彼は顔立ちが整っていて、それでもってお洒落なのだ。それに対して私は、ごく普通の顔立ちで、お洒落とは程遠い。少しでも可愛くなろうとおめかししても、本来の自分の面影がちらついてしまうのだ。

例えば、能力。彼は頭脳明晰で、スポーツ万能という文武両道であり、手先も器用など弱点が見当たらない。それに対して私は平均かそれより下で、秀でた物も持ち合わせない。本当につまらない人間だ。

こんな私と一緒に居ても、彼は楽しくないだろうな…と思うと悲しくなってしまう。そのせいか、私は彼の前で、

「ほんと、私のどこが良いんだろう…」

と呟いてしまった。すると彼は真剣な表情で、私の目を見つめながら、

「そんなに自分を卑下しないでください。俺は理想のあなたではなく、今の貴方が大好きなんです。俺はいつも貴方の笑顔に救われているんですよ?」

と思いを伝えてくれた。それがとても嬉しくて、私は笑顔で頷いた。

テーマ「理想のあなた」

5/20/2024, 11:37:08 AM