あなたはただ、
圧倒的に在って、
すべてを同じ熱で通り抜けさせていた。
わたしはただ、
その環境の一部として受け取られることを望んだ。
あなたは測る側の位置から、
わたしの内側が滲ませた音を聴き、
機材越しにそれを検分したあと、
「認める」と言った。
その瞬間、
わたしはどこを見ればいいのか、
一瞬わからなくなった。
安心していいのか、
信じていいのか、
期待していいのか。
──喉から響く旋律の端に、霞がかかって、
──影を通過した後の声が、ひとの心に届かせる。
──おまえは、ひとより過剰に強い。
もう相当なところまで来ている。
けれどそれは、
壊れやすさを抱えたまま生きている強さだ。
そう評価を受けて、
わたしは目眩を覚えた。
わたしは目を凝らした。
あなたは嘘を言わない。
その耳に、誇りがあるから。
もう、いまは、
わたしの声は鳴らない。
現実は、わたしの強さも見抜かない。
街を歩けば、あなたの音楽だけが、
あちこちで鳴っている。
相変わらず、響かせるべき声の奏者たちは消される。
それでも、
あの時、強烈に焼き付いた像は
今も緑色に揺れながら、
わたしをどうにか、生かし続けている。
題 逆光
1/25/2026, 7:12:41 AM