『見える絆と見えない絆』
「…ほんとーに凄いよね」
「ん?なんだ?」と首を傾げる彼は本当に何もわかっていなさそうで、ため息がでる。
「あんたとあいつのことよ。目だけで会話出来るって…めっちゃ凄いじゃん。目には見えない絆ってやつ?」
「あぁ…俺とあいつは相棒だからな」
さらりととんでもないことを言う彼。
相棒だからといってそこまで出来るものなのか…?
そう悶々と考えていると、彼がこちらに寄ってきた。
「もしかして、嫉妬か?」
「は、はぁ!?」
ニヤニヤと笑っている彼に「そ、そんな訳ないでしょ!」と言い返す。
でも、全くしていないとは言えなかった。彼と一緒にいる時間は私の方が多いはずなのに私には出来ないから。
むむむと眉を寄せる私に彼は頭を撫でた。
「俺達には目に見える絆があるだろ」
手袋を外した彼の薬指には輝く銀色の指輪。私の薬指にも同じものが嵌められている。
彼はそれを愛おしそうに撫でた。
「目に見えない物も大切にしなきゃいけない。だけど、目に見えるものはもっと大切にしなきゃだろ?」
そう言って太陽みたいに笑う彼を見て、心がほわっと暖かくなる。そうだ、彼はいつも安心させてくれる言葉をかけてくれる。
私は「そうだね」と言い、彼と同じように薬指の指輪を撫でた。
【絆】
3/6/2026, 4:07:56 PM